甲状腺の病気は、気づきにくいことがある

甲状腺の病気は、気づきにくいことがあります。

 甲状腺の病気は、甲状腺ホルモンの分泌になんらかの不具合がある「甲状腺機能異常症」と、「甲状腺腫瘍」とに大きく分けられます。
 甲状腺機能異常症には、甲状腺ホルモンの分泌が過剰となる甲状腺機能亢進症と、分泌量が少ない甲状腺機能低下症があります。いずれも軽症の場合には特徴的な所見に乏しく、からだの疲れ、ちょっとした体調不良、なんとなく元気がないと感じつつも、病気として意識することなく見過ごしている方もいます。甲状腺疾患の解説をご確認いただき、もし当てはまる症状があれば、医師にお尋ねください。
 甲状腺腫瘍も、皆さまにとって、なじみが薄い病名だと思います。実は日本人の数名に1人の方は甲状腺に腫瘤を持っており、そのほとんどは良性腫瘍で治療を必要としません。甲状腺を検査する機会は少なく、甲状腺腫瘤があることを知らずに過ごされている方が大勢います。
 ただし、頻度は少ないものの甲状腺がんが潜んでいることがあります。甲状腺腫瘤の大きさが1㎝程度を超える場合や、のどの腫瘤が短期間で大きくなる場合には、精密検査の検討が必要です。